第52回勉強会のお知らせ

寒からず暑からずの好季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。

さて、5月の学習会のご案内をいたします。

日時: 2019/05/29 (水), 18:00-20:00
場所: 難波別院 研修ホール 第二会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 三十四』(大地の会, 2005), 第135講, pp. 65-92
発表者: 加藤孝法さん

今月の箇所は、上記の通りイレギュラーなのでご注意ください。変成男子願 (第三十五願) の箇所 (宮城テキスト34) です。場所は前回と同じ「第二会議室」です。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

以前のエントリー 光遠会の輪読テキストについて でお知らせしたとおり、今後のテキストについて検討中なのですが、ひとまず、以下のような流れで学習会を進めたいと考えています。

  • 6月: 48願全体の復習
  • 7月以降: 竹中智秀『浄土真宗の儀式の源流』および『浄土真宗の葬儀』
  • 終わり次第: 安田理深「展開する本願」(『大地』所収, 大法輪閣 より一部?復刊)

先月、会計さんよりご報告があった通り、光遠会では毎年4月に年会費 (3,000円) を集めています。当会では、皆様からの年会費によって、別院への会処礼やサイト運営費、その他の必要経費に充てさせていただいております。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

また、光遠会2019年発表者予定 の方もあわせてご確認ください。当面の発表者の予定が立てられています。ご都合がつかない方は、なるべく早めにご連絡くださいますようよろしくお願いいたします。

光遠会の輪読テキストについて

光遠会では、宮城顗先生の『大無量寿経講義』(大地の会) を、本願文の第一願より読み進めてまいりました。今月で還相廻向願 (第二十二願) までの講義が終わり、一応の予定されていたところまで読み進みたことになります。参加者の皆さんの希望があったので、この後、変成男子願 (第三十五願) の箇所 (宮城テキスト34, 第135講, pp. 65-92) へと進み、一旦会での宮城先生のテキストの輪読は終了とさせていただきたいと考えています。

今後、どのテキストを輪読するかは、只今検討中なのですが、以下の三つの案があります。

  • 竹中智秀『浄土真宗の葬儀』
  • 竹中智秀『浄土真宗の儀式の源流—『法事讃』を読む—』
  • 安田理深「展開する本願」(『大地』所収, 大法輪閣 より一部?復刊)

宮城先生のテキストは 大地の会 が出版 (非売品) してくださっていますが、「大地の会」とは、『大無量寿経』正宗分を聞く会として1963(昭和38)年に発足された会で、講義は安田理深先生がご担当されて、1981年までの18年間、「展開する本願」と題して続けられました。安田先生の後、私たちが読んでいた宮城顗先生、さらに、宗正元先生、藤元正樹先生、大河内了義先生、和田稠先生が講義を担当され、2006年までの24年間の長きに渡り、聴聞会は続きました。(講義の一部は 大地の会 で公開されています)。

大法輪閣 より復刊されている『大無量寿経講義』シリーズ (一〜六) の目次を見ると、安田先生の講義には以下の内容のものがあるようです。

  • 一. 「根底に流れるもの —大無量寿経正宗分講義ノート—」
  • 二. 「展開する本願 —第一願より第十七願まで—」
  • 三. (安田先生のものはなし)
  • 四. 「展開する本願」
  • 五. 「恒沙の信士 —三願転入について—」
  • 六. 「真宗の人間(別稿)」

これらの安田先生のご講義のうち、どの部分を輪読するか、また、その他のテキストの希望もあると思いますので、その点も含め今月の学習会でご相談させてください。

竹中先生のテキストは、割と最近出版された本でご存知の方も多いと思います。一応、アマゾンのリンクだけはっておきます。

第51回勉強会のお知らせ

花の便りが相次ぐ今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。

さて、4月の学習会のご案内をいたします。

日時: 2019/04/25 (木), 18:00-20:00
場所: 難波別院 研修ホール 第二会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 三十』(大地の会, 2003), 第120講, pp. 89--120
発表者: 後藤裕司さん

今月の箇所で、長らく続いた還相廻向第22願の講義が終わります。今回も前回と同じ「第二会議室」です。お間違いのないよう、ご確認ください。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

また、今月、会計さんより報告があると思いますが、光遠会では毎年4月に年会費 (3,000円) を集めています。当会では、皆様からの年会費によって、別院への会処礼やサイト運営費、その他の必要経費に充てさせていただいております。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、宮城先生のテキストにしばしば引用される宮沢賢治ですが、彼の思想形成において真宗が大きな役割を果たしていたことは、広く知られています。特に暁烏敏は、彼の父政次郎との交流が深く、しばしば花巻を訪れていたようです。その影響を受けた賢治は、十六歳の時に「歎異抄の第一頁を以て小生の全信仰と致し候」と、父宛ての手紙に記すほどであったそうです。

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後列中央の法衣姿が暁烏敏, 前列左から二人目が賢治

正木晃先生のご講義

第50回勉強会のお知らせ

ひと雨ごとに寒さもゆるみ、春風が心地よく感じられます。いかがお過ごしでしょうか。

さて、3月の学習会のご案内をいたします。

日時: 2019/03/29 (金), 18:00-20:00
場所: 難波別院 研修ホール 第二会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 三十』(大地の会, 2003), 第119講, pp. 63--85
発表者: 安間観志

今月も前回からの還相廻向第22願の講義の続きです。現在「南和室」が改修で少しの期間使用できません。今回は「第二会議室」です。お間違いのないよう、ご確認ください。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

さて、今のテキストの最後に、度々登場する宮沢賢治の「永訣の朝」について触れられています。少し長いですが、ここに再掲しておきたいと思います。「あめゆじゅとてちてけんじゃ」や “Ora Orade Shitori egumo” という音の響きは、皆さんと輪読していると、特に、頭に残ります…

      永訣の朝

けふのうちに とほくへ いってしまふ わたくしの いもうとよ みぞれがふって おもては へんに あかるいのだ (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

うすあかく いっさう 陰惨な 雲から みぞれは びちょびちょ ふってくる (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

青い蓴菜の もやうのついた これら ふたつの かけた 陶椀に おまへが たべる あめゆきを とらうとして わたくしは まがった てっぽうだまのやうに この くらい みぞれのなかに 飛びだした (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

蒼鉛いろの 暗い雲から みぞれは びちょびちょ 沈んでくる ああ とし子 死ぬといふ いまごろになって わたくしを いっしゃう あかるく するために こんな さっぱりした 雪のひとわんを おまへは わたくしに たのんだのだ ありがたう わたくしの けなげな いもうとよ わたくしも まっすぐに すすんでいくから (あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

はげしい はげしい 熱や あえぎの あひだから おまへは わたくしに たのんだのだ

銀河や 太陽、気圏などと よばれたせかいの そらから おちた 雪の さいごの ひとわんを…

…ふたきれの みかげせきざいに みぞれは さびしく たまってゐる

わたくしは そのうへに あぶなくたち 雪と 水との まっしろな 二相系をたもち すきとほる つめたい雫に みちた このつややかな 松のえだから わたくしの やさしい いもうとの さいごの たべものを もらっていかう

わたしたちが いっしょに そだってきた あひだ みなれた ちやわんの この 藍のもやうにも もう けふ おまへは わかれてしまふ (Ora Orade Shitori egumo)

ほんたうに けふ おまへは わかれてしまふ

ああ あの とざされた 病室の くらい びゃうぶや かやの なかに やさしく あをじろく 燃えてゐる わたくしの けなげな いもうとよ

この雪は どこを えらばうにも あんまり どこも まっしろなのだ あんな おそろしい みだれた そらから この うつくしい 雪が きたのだ

(うまれで くるたて   こんどは こたに わりやの ごとばかりで    くるしまなあよに うまれてくる)

おまへが たべる この ふたわんの ゆきに わたくしは いま こころから いのる どうか これが兜率の 天の食に 変わって やがては おまへとみんなとに 聖い資糧を もたらすことを わたくしの すべての さいはひを かけて ねがふ