木越康先生「教行信証を読む」講義

木越康先生 (大谷大学学長) の今年度最終講義が以下の日程で開催されます。

日時 : 2017/6/9 (金), 18:00--

場所 : 本堂地下 講義室

講題 : 『教行信証』を読む

「教行信証を読む」の講義は、今年度の最終講義です。木越先生が難波別院でご講義くださるのが次にいつになるやら… 光遠会のみなさまは、すべて研修院修了生というわけではないのですが、ご参加希望の方は教化センター (TEL: 06-6251-0745) までお問い合わせください。聴講はおそらく可能であると思います。是非ともこの機会に先生のご講義を聴かせていただきましょう。講義の後には通例、研修院の先輩方も多く参加され懇親会が開かれるはずなので、先生を囲んでの貴重な貴重なこの機会をお見逃しになりませよう、この光遠会のサイトでもご案内させていただきます。

第30回勉強会のお知らせ

まるで初夏を思わせる陽気が続いていますが、みなさまお変わりなくお過ごしのことと拝察します。

さて、5月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/05/29 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大地の会, 2001), 第101講, pp. 3-32
発表者: 道谷祐二さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。前回に引き続き、本願文17願の講義です。17願の講義は次回の第102講まで続きますが、今回はより深くその内容に入っていきます。たくさんのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

さて、月参りなどで各ご家庭にお参りに上がらせてもらうと、とても立派な先祖代々より引き継ぐお内仏を目にすることがあります。そんなときに、私は次のお話をさせていただくことがあります。ご門徒さんとのお話の「ネタ」としてはなかなか興味ひかれる種類のもので、ここに少しご紹介したいと思います。

ご存知のように、難波別院の南広間 (定例法話や声明塾で使う部屋) にはお内仏がありますが、その仏壇は実は工芸品としての価値が極めて高いものです (値段をつけられるものではないが、つけるとしたら億は下だらないとも聞いたことがあります…)。この仏壇はもともと大阪の富豪戸田家のもので、戦前には信仰に篤い家として知られ、大谷大学の講堂なども戸田家ご寄進のもの。戦後戸田家は接収されたのですが、その際この仏壇は1980年代半ばまで倉庫に眠っており、1986年に戸田家依頼により、今の別院南広間に安置されるに至ったとのことです。

欄間には「梧桐 (あおぎり) に鳳凰」が用いられ、卓の持送りには「麒麟」の彫刻が使用されています。また、同じく卓には「亀」も使われており、輪塔瓔珞の吊り下げ部分には地彫りの「龍」が見えます。「鳳凰」・「麒麟」・「亀」・「龍」の四霊獣が揃っています。さらに、須弥壇腰には唐獅子牡丹の彫刻、卓の彫刻には雲鶴が用いられており、仏壇で使用されている神霊獣の大半が見られます (個人的に撮った写真を載せたいのですが、許可もとってませんので、みなさん今度近くで見てみてください^^)。

一番の見どころは錺金具で、プレスや電鋳の工業製品が主流の現代では、手打ちの錺金具は希少です。下段奥の蓮水の錺や、下段框の青海波 (せいがいは)、その上の花菱繋ぎ、宮殿の虹梁や木鼻の錺金具など、見どころはたくさんで、これらは戦前の大阪仏壇の錺金具技術のレベルの高さを象徴するものです。

現在ではこれだけ技術の粋を尽くした仏壇は残念ながら製造されることはまずなく、またそうした技術を支える職人もいなくなってしまったでしょうし、さらには職人に物作りをさせる余裕のある超富裕階級もいません…

私は稀に、お参りにあがったお家でこうした立派な仏壇を目にすると、この難波別院のお内仏についてお話することがあります。仏間に当たり前のように安置されてあるお仏壇が、実はいかに優れた技術と伝統に支えられたものであるかといったことを、先のような蘊蓄を交えお話すると、ご門徒さんは熱心に聞いてくださる場合が多いように感じます。ますます仏事や仏壇や荘厳が簡略化されコストダウンがはかられる現代にあって、こうした今日では考えられないほどの技術と財力が注入された工芸品的価値を有する仏壇と、そこに込められた各家先祖代々の信仰の深さについて思いを馳せるのです…と書けば大袈裟でしょうか?まあ、ひとつの話の「ネタ」としてここにご紹介いたしました。

では、月末の学習会で^^

(下の画像はあるご門徒さん宅のお内仏)

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第29回勉強会のお知らせ

春爛漫の好季節を迎え、毎日お元気でご活躍のことと拝察いたします。

さて、4月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/04/24 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十五』(大地の会, 2000), 第100講, pp. 87-118
発表者: 松本真明さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。いよいよ、本願の佳境、17願へと進んでまいります。より多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

さて、すでにほとんどの方がご存知だと思いますが、3/31 早朝に教学研究所所長・大谷大学名誉教授の安冨信哉先生 (73歳) が虚血性心疾患のため、京都市下京区の東本願寺職員住宅で還浄されました。謹んで哀悼の意を表し、ここにご通知させていただきます。先生は 4/2 に御影堂門、高倉会館、しんらん交流館、大谷大学の順で、沢山の方にお見送りされ新潟のご自坊に帰られました。

4日に新潟のご自坊で身内のみの逮夜、5日10時より密葬、11時半出棺、12時火葬で、2時過ぎに収骨をされたそうです。本葬は来月の5月12日10時からとのことです。なお、お通夜はないようです。葬儀の場所はご自坊

光濟寺
〒958-0847 新潟県村上市大工町2-5
TEL.0254-52-3511

です。喪主は奥様の安冨裕美子さんです。また、三帰会・教研や大学も合わせて追弔法要を行なうことも予定されているようです (それらの詳細は未定)。

宗務所内及び大学内では弔問を控えるよう申し合わせのお知らせが回っているところもあるようですが、ゼミ生や先生に学恩を受けてこられた方々についてはその限りでない、という案内もいただいています。先生の奥様からは、ゼミ生等、有縁の方々の弔問はとても嬉しく、先生も喜んでくれるはずなので、弔問いただけるならば、遠慮せずにどうぞお参りくださいとのこと、ご案内いただいております。

合掌

光遠会 代表  安間観志

第28回勉強会のお知らせ

弥生の空美しく晴れ渡り… なんて言葉で書き始めたくなるような、よい季節となってまいりました。お元気でお過ごしでしょうか。

さて、今月の学習会は以下の通りです (サイト更新が遅くなってすみません…)。

日時: 2017/03/28 (火曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十五』(大地の会, 2000), 第99講, pp. 57-84
発表者: 田中寛子さん

開催場所がいつもと違うのでご注意ください。別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。28日にはもう桜が咲いているでしょうか?なんだか、ワクワクしますね。

さて、今月は漫画のご紹介。谷口ジロー さんの “遥かな町へ” という作品。先月の11日に69歳という若さでお亡くなりになり、何か一つご紹介したいと思い、代表作のひとつと言えるこの作品を選びました。

谷口さんの作品は、夢枕獏原作の “神々の山嶺” はじめ、他にもたくさん熱中して読んだ記憶があるのですが、特に久住昌之さん原作の “孤独のグルメ” で谷口さんの名前が日本で一躍有名になったと思います。この “遥かな町へ” という漫画はフランスで芸術文化勲章シュヴァリエを受章するなど (フランス語タイトル “Quartier lointain“)、つい最近の『孤独のグルメ』ブーム以前は、日本よりむしろ欧米で高く評価されていたように思います。お話は、48歳の中年サラリーマンが今の記憶・知識を持ったまま14歳の中学生にタイムスリップする、というもの。勉強はできるし、運動も抜群、大人びた雰囲気で当時は話すことさえできなかった憧れの女の子ともうまくいく… と少し鼻につくような設定なんですが、テーマが深い。男性にとって避けることのできない「父親」との心の対話が、精緻な画力と絶妙な心理描写で展開し読者を惹きつけます。原作は谷口さん自身。私は谷口さんの訃報を聞いた時、まずこの本を読み返したいな、と思ったんですが、本棚のどこを探しても見つからない (だから先に書いたストーリーはうろ覚えのところがあるんですが…)。学生時代、誰かに貸したまま返ってきてないのかも… ブックオフや古本市場で偶然見つけれないかな、と頭の片隅で思う日々。誰かに貸していただけないかな、と僅かな期待をこめつつ、ここにご紹介いたします:)

学習会の補足 —「自信」について—

先日2月20日に第27回目の学習会が行われました。今回は本願の第15願「眷屬長寿」についての講義 (第98講) でした。第14願「声聞無数」からの流れで、この「眷屬長寿」の願は、「声聞に志願を回復する」という意味を持つと講義されます。そして、15願の眼目が「除其本願 修短自在」であることが強調され、第2願の「寿終之後」という語との、また第22願の還相廻向の願との、それぞれ呼応関係が指摘されました。

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