第33回勉強会のお知らせ

秋風が心地よい時節となりました。いかがお過ごしでしょうか。

さて、9月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/09/15 (金曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大地の会, 2001), 第104講, pp. 93-120
発表者: 間野 淳雄さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。少し間が空きましたが、9月の内容は前回から引き続いて第18願の講義です。多くのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

今回で宮城先生の大経講義「26」のテキストが終了します。次回からの「27」のテキストはお手元にお持ちでない方が殆どだと思います。光遠会のサイト にテキストをアップしていますので、ダウンロードしてご利用ください。

さて、来る11月6日 (月) に光闡坊の佐野明弘先生をお迎えして研修院公開講座が開かれます。

日時: 11/6 (月), 18:00--20:00
場所: 難波別院同朋会館
講題: まことに由あるかな ---果遂の誓---
内容: 聖人のもっとも大きなお仕事のひとつに18願の背景
   に17願と20願を見出されたことがあります。今回は
   そのうち特に20願を見出された意義について尋ねた
   いと思います。

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是非とも多くのみなさまがご聴聞くださいますよう、ご案内申し上げます。

ここに、最近の佐野先生に関する本を少しご紹介しておきたいと思います。まずは、ご存じの方も多いと思いますが、今年度の大阪教区の紀要『生命の足音』33号に和田稠先生の「『現代と宗教』講義」が掲載されています。これは佐野先生校閲のものです。これから8年間継続して掲載される予定です。ご購入は大阪教区教化センターまで。

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次に、『真宗の本尊』。これは2013年から14年にかけて、名古屋教区第2組で先生がご講義された内容が文字に起こされたものです。編集は「名古屋教区第2組 教化委員会出版広報部会」で、発行は同じく2組の「東光寺 英 信哉」(愛知県知多郡阿久比町阿久比北下川10) 様です。ご希望の方は名古屋教区にお問い合わせください。

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次に、『真実の信心 —呼応の信と恒沙の信—』。これは2016年11月26日と27日、日豊教区心光寺様にて厳修された報恩講のご法話が文字起こしされたものです。編集・発行は「無明庵」(岐阜県大垣市平町 122 養楽寺御院内, 0584–89–382) 様。お問い合わせは養楽寺様までお願いします。

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最後は、昨年2016年の光闡坊報恩講安居の講義録です。講題は「この人の単独なる —近代的自我の終焉—」です。これはつい先日頂いたばかりで、ご希望の場合どこに問い合わせればよいかご案内できませんので、ご興味のある方は光遠会までお問い合わせください。

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第31回勉強会のお知らせ

梅雨空のうっとうしい季節となりましたが、変わりなくお過ごしのことと拝察します。

さて、6月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/06/26 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大の会, 2001), 第102講, pp. 35-61
発表者: 安間観志

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。前回に引き続き、本願文17願の講義です。17願の講義は今回の第102講までとなり、次回はいよいよ18願へと進んでまいります。たくさんのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

さて、今回は寺院探訪。少し前になりますが、ふと思い立って加古川の教信寺を訪ねてきました。ここを訪れたのが3月31日で、桜が間もなく満開という時期だったのですが、思い返せばこの話を誰にも語った記憶がなく、寂しいのでここに紹介させていただきます。

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木越康先生「教行信証を読む」講義

木越康先生 (大谷大学学長) の今年度最終講義が以下の日程で開催されます。

日時 : 2017/6/9 (金), 18:00--

場所 : 本堂地下 講義室

講題 : 『教行信証』を読む

「教行信証を読む」の講義は、今年度の最終講義です。木越先生が難波別院でご講義くださるのが次にいつになるやら… 光遠会のみなさまは、すべて研修院修了生というわけではないのですが、ご参加希望の方は教化センター (TEL: 06-6251-0745) までお問い合わせください。聴講はおそらく可能であると思います。是非ともこの機会に先生のご講義を聴かせていただきましょう。講義の後には通例、研修院の先輩方も多く参加され懇親会が開かれるはずなので、先生を囲んでの貴重な貴重なこの機会をお見逃しになりませよう、この光遠会のサイトでもご案内させていただきます。

第30回勉強会のお知らせ

まるで初夏を思わせる陽気が続いていますが、みなさまお変わりなくお過ごしのことと拝察します。

さて、5月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/05/29 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大地の会, 2001), 第101講, pp. 3-32
発表者: 道谷祐二さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。前回に引き続き、本願文17願の講義です。17願の講義は次回の第102講まで続きますが、今回はより深くその内容に入っていきます。たくさんのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

さて、月参りなどで各ご家庭にお参りに上がらせてもらうと、とても立派な先祖代々より引き継ぐお内仏を目にすることがあります。そんなときに、私は次のお話をさせていただくことがあります。ご門徒さんとのお話の「ネタ」としてはなかなか興味ひかれる種類のもので、ここに少しご紹介したいと思います。

ご存知のように、難波別院の南広間 (定例法話や声明塾で使う部屋) にはお内仏がありますが、その仏壇は実は工芸品としての価値が極めて高いものです (値段をつけられるものではないが、つけるとしたら億は下だらないとも聞いたことがあります…)。この仏壇はもともと大阪の富豪戸田家のもので、戦前には信仰に篤い家として知られ、大谷大学の講堂なども戸田家ご寄進のもの。戦後戸田家は接収されたのですが、その際この仏壇は1980年代半ばまで倉庫に眠っており、1986年に戸田家依頼により、今の別院南広間に安置されるに至ったとのことです。

欄間には「梧桐 (あおぎり) に鳳凰」が用いられ、卓の持送りには「麒麟」の彫刻が使用されています。また、同じく卓には「亀」も使われており、輪塔瓔珞の吊り下げ部分には地彫りの「龍」が見えます。「鳳凰」・「麒麟」・「亀」・「龍」の四霊獣が揃っています。さらに、須弥壇腰には唐獅子牡丹の彫刻、卓の彫刻には雲鶴が用いられており、仏壇で使用されている神霊獣の大半が見られます (個人的に撮った写真を載せたいのですが、許可もとってませんので、みなさん今度近くで見てみてください^^)。

一番の見どころは錺金具で、プレスや電鋳の工業製品が主流の現代では、手打ちの錺金具は希少です。下段奥の蓮水の錺や、下段框の青海波 (せいがいは)、その上の花菱繋ぎ、宮殿の虹梁や木鼻の錺金具など、見どころはたくさんで、これらは戦前の大阪仏壇の錺金具技術のレベルの高さを象徴するものです。

現在ではこれだけ技術の粋を尽くした仏壇は残念ながら製造されることはまずなく、またそうした技術を支える職人もいなくなってしまったでしょうし、さらには職人に物作りをさせる余裕のある超富裕階級もいません…

私は稀に、お参りにあがったお家でこうした立派な仏壇を目にすると、この難波別院のお内仏についてお話することがあります。仏間に当たり前のように安置されてあるお仏壇が、実はいかに優れた技術と伝統に支えられたものであるかといったことを、先のような蘊蓄を交えお話すると、ご門徒さんは熱心に聞いてくださる場合が多いように感じます。ますます仏事や仏壇や荘厳が簡略化されコストダウンがはかられる現代にあって、こうした今日では考えられないほどの技術と財力が注入された工芸品的価値を有する仏壇と、そこに込められた各家先祖代々の信仰の深さについて思いを馳せるのです…と書けば大袈裟でしょうか?まあ、ひとつの話の「ネタ」としてここにご紹介いたしました。

では、月末の学習会で^^

(下の画像はあるご門徒さん宅のお内仏)

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第28回勉強会のお知らせ

弥生の空美しく晴れ渡り… なんて言葉で書き始めたくなるような、よい季節となってまいりました。お元気でお過ごしでしょうか。

さて、今月の学習会は以下の通りです (サイト更新が遅くなってすみません…)。

日時: 2017/03/28 (火曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十五』(大地の会, 2000), 第99講, pp. 57-84
発表者: 田中寛子さん

開催場所がいつもと違うのでご注意ください。別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。28日にはもう桜が咲いているでしょうか?なんだか、ワクワクしますね。

さて、今月は漫画のご紹介。谷口ジロー さんの “遥かな町へ” という作品。先月の11日に69歳という若さでお亡くなりになり、何か一つご紹介したいと思い、代表作のひとつと言えるこの作品を選びました。

谷口さんの作品は、夢枕獏原作の “神々の山嶺” はじめ、他にもたくさん熱中して読んだ記憶があるのですが、特に久住昌之さん原作の “孤独のグルメ” で谷口さんの名前が日本で一躍有名になったと思います。この “遥かな町へ” という漫画はフランスで芸術文化勲章シュヴァリエを受章するなど (フランス語タイトル “Quartier lointain“)、つい最近の『孤独のグルメ』ブーム以前は、日本よりむしろ欧米で高く評価されていたように思います。お話は、48歳の中年サラリーマンが今の記憶・知識を持ったまま14歳の中学生にタイムスリップする、というもの。勉強はできるし、運動も抜群、大人びた雰囲気で当時は話すことさえできなかった憧れの女の子ともうまくいく… と少し鼻につくような設定なんですが、テーマが深い。男性にとって避けることのできない「父親」との心の対話が、精緻な画力と絶妙な心理描写で展開し読者を惹きつけます。原作は谷口さん自身。私は谷口さんの訃報を聞いた時、まずこの本を読み返したいな、と思ったんですが、本棚のどこを探しても見つからない (だから先に書いたストーリーはうろ覚えのところがあるんですが…)。学生時代、誰かに貸したまま返ってきてないのかも… ブックオフや古本市場で偶然見つけれないかな、と頭の片隅で思う日々。誰かに貸していただけないかな、と僅かな期待をこめつつ、ここにご紹介いたします:)