第34回勉強会のお知らせ

金木犀の甘く爽やかな香りが漂いはじめました。いかがお過ごしですか。

さて、10月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/10/30 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十七』(大地の会, 2001), 第105講, pp. 3-34
発表者: 加藤 孝法さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。10月の内容も前回から引き続いて第18願の講義です。次回からの大経講義「27」のテキストはお手元にお持ちでない方が殆どだと思います。光遠会のサイト にテキストをアップしていますので、ダウンロードしてご利用ください。多くのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

さて、今月は映画のご紹介。インド映画ご覧になりますか?『PK』は2014年のSFコメディ映画です。

前作『きっと、うまくいく』(2009年) と同じ、監督ラージクマール・ヒラーニと主演のアーミル・カーンのコンビです。宇宙人が地球に流れ着き、その文化に触れる中で宗教と出遇い、タブーとさえ思われる多様化したインドの宗教の矛盾を「宇宙人的視点で」コミカルに描き出します。もちろん、インド映画なので登場人物たちはミュージカルさながら踊りだします^^; しかし、『踊るマハラジャ』でインド映画の印象が固定していまっている方は、是非ともご覧になってみてください。この映画でシニカルに描かれる宗教的信条や迷信に関する「素朴な」疑問は、きっと私たち現代の浄土真宗門徒の信念のあり方を深く見つめ直すきっかけともなるかもしれません。それでは!

第32回勉強会のお知らせ

毎日茹だるような暑さが続く中、みなさまにはご健勝にて、為法精進のことと拝察します。

さて、7月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/07/28 (金曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大の会, 2001), 第103講, pp. 65-90
発表者: 入江 宥さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。今回からいよいよ本願文の頂、第18願の講義です。たくさんのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

なお、来月8月の学習会は例年通り「お休み」とさせていただきます。その代わりに本山近くで泊まって自分たちだけで作る奉仕団のようなものを企画したいと考えているのですが、詳しくは学習会当日に相談させてください。

さて、今回は著書ご紹介。中下大樹さんの『悲しむ力』。

中下さんは大谷派僧侶で超宗派ネットワーク「寺サンガ・ネットワーク」代表を務められ、「いのち」をキーワードにした様々な活動をなさっています。近年は中下さんのように宗派にこだわらず、様々な分野で活躍される僧侶の方が増えています。浄土真宗に限っても、青江覚峰さん (暗闇ごはん, 大谷派), 三浦明利さん (尼さんシンガー, 本願寺派), 宗元英敏さん (宿坊光澤寺, 本願寺派), 光澤裕顕さん (お坊さん漫画家, 大谷派), 説田真仁さん (寺かふぇ, 大谷派), 羽田高秀さん (坊主BAR, 本願寺派), 浦上哲也さん (死の体験旅行, 本願寺派) などなど、多くの方々が各方面でご活躍なさっています。

本書『悲しむ力』は、中下さんの活動の中で出遇った人々との体験が「悲しみの共有」というテーマを中心に語られています。語られている内容は氏の具体的な体験中心なのですが、私はその多くの体験に自分自身の体験を重ね合わせて読んでいました。個人の体験は、それが独自の体験であっても、人間としての深い体験であればあるほど多くの人の共感を呼ぶ普遍性を帯びるのではないかと感じます。「ヒトノ イタミノ ワカル ヒトニ ナッテネ」は、私の心にも深く響きました。それでは。

第33回勉強会のお知らせ

秋風が心地よい時節となりました。いかがお過ごしでしょうか。

さて、9月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/09/15 (金曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大地の会, 2001), 第104講, pp. 93-120
発表者: 間野 淳雄さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。少し間が空きましたが、9月の内容は前回から引き続いて第18願の講義です。多くのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

今回で宮城先生の大経講義「26」のテキストが終了します。次回からの「27」のテキストはお手元にお持ちでない方が殆どだと思います。光遠会のサイト にテキストをアップしていますので、ダウンロードしてご利用ください。

さて、来る11月6日 (月) に光闡坊の佐野明弘先生をお迎えして研修院公開講座が開かれます。

日時: 11/6 (月), 18:00--20:00
場所: 難波別院同朋会館
講題: まことに由あるかな ---果遂の誓---
内容: 聖人のもっとも大きなお仕事のひとつに18願の背景
   に17願と20願を見出されたことがあります。今回は
   そのうち特に20願を見出された意義について尋ねた
   いと思います。

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是非とも多くのみなさまがご聴聞くださいますよう、ご案内申し上げます。

ここに、最近の佐野先生に関する本を少しご紹介しておきたいと思います。まずは、ご存じの方も多いと思いますが、今年度の大阪教区の紀要『生命の足音』33号に和田稠先生の「『現代と宗教』講義」が掲載されています。これは佐野先生校閲のものです。これから8年間継続して掲載される予定です。ご購入は大阪教区教化センターまで。

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次に、『真宗の本尊』。これは2013年から14年にかけて、名古屋教区第2組で先生がご講義された内容が文字に起こされたものです。編集は「名古屋教区第2組 教化委員会出版広報部会」で、発行は同じく2組の「東光寺 英 信哉」(愛知県知多郡阿久比町阿久比北下川10) 様です。ご希望の方は名古屋教区にお問い合わせください。

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次に、『真実の信心 —呼応の信と恒沙の信—』。これは2016年11月26日と27日、日豊教区心光寺様にて厳修された報恩講のご法話が文字起こしされたものです。編集・発行は「無明庵」(岐阜県大垣市平町 122 養楽寺御院内, 0584–89–382) 様。お問い合わせは養楽寺様までお願いします。

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最後は、昨年2016年の光闡坊報恩講安居の講義録です。講題は「この人の単独なる —近代的自我の終焉—」です。これはつい先日頂いたばかりで、ご希望の場合どこに問い合わせればよいかご案内できませんので、ご興味のある方は光遠会までお問い合わせください。

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第31回勉強会のお知らせ

梅雨空のうっとうしい季節となりましたが、変わりなくお過ごしのことと拝察します。

さて、6月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/06/26 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大の会, 2001), 第102講, pp. 35-61
発表者: 安間観志

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。前回に引き続き、本願文17願の講義です。17願の講義は今回の第102講までとなり、次回はいよいよ18願へと進んでまいります。たくさんのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

さて、今回は寺院探訪。少し前になりますが、ふと思い立って加古川の教信寺を訪ねてきました。ここを訪れたのが3月31日で、桜が間もなく満開という時期だったのですが、思い返せばこの話を誰にも語った記憶がなく、寂しいのでここに紹介させていただきます。

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第30回勉強会のお知らせ

まるで初夏を思わせる陽気が続いていますが、みなさまお変わりなくお過ごしのことと拝察します。

さて、5月の学習会は以下の通りです。

日時: 2017/05/29 (月曜日), 18:00-20:00
場所: 難波別院 事務所会議室
範囲: 宮城顗『大無量寿経講義 二十六』(大地の会, 2001), 第101講, pp. 3-32
発表者: 道谷祐二さん

開催場所は前回同様、別院事務所と教務所の間の「事務所会議室」です。前回に引き続き、本願文17願の講義です。17願の講義は次回の第102講まで続きますが、今回はより深くその内容に入っていきます。たくさんのみなさまのご参加をお待ち申し上げております。

さて、月参りなどで各ご家庭にお参りに上がらせてもらうと、とても立派な先祖代々より引き継ぐお内仏を目にすることがあります。そんなときに、私は次のお話をさせていただくことがあります。ご門徒さんとのお話の「ネタ」としてはなかなか興味ひかれる種類のもので、ここに少しご紹介したいと思います。

ご存知のように、難波別院の南広間 (定例法話や声明塾で使う部屋) にはお内仏がありますが、その仏壇は実は工芸品としての価値が極めて高いものです (値段をつけられるものではないが、つけるとしたら億は下だらないとも聞いたことがあります…)。この仏壇はもともと大阪の富豪戸田家のもので、戦前には信仰に篤い家として知られ、大谷大学の講堂なども戸田家ご寄進のもの。戦後戸田家は接収されたのですが、その際この仏壇は1980年代半ばまで倉庫に眠っており、1986年に戸田家依頼により、今の別院南広間に安置されるに至ったとのことです。

欄間には「梧桐 (あおぎり) に鳳凰」が用いられ、卓の持送りには「麒麟」の彫刻が使用されています。また、同じく卓には「亀」も使われており、輪塔瓔珞の吊り下げ部分には地彫りの「龍」が見えます。「鳳凰」・「麒麟」・「亀」・「龍」の四霊獣が揃っています。さらに、須弥壇腰には唐獅子牡丹の彫刻、卓の彫刻には雲鶴が用いられており、仏壇で使用されている神霊獣の大半が見られます (個人的に撮った写真を載せたいのですが、許可もとってませんので、みなさん今度近くで見てみてください^^)。

一番の見どころは錺金具で、プレスや電鋳の工業製品が主流の現代では、手打ちの錺金具は希少です。下段奥の蓮水の錺や、下段框の青海波 (せいがいは)、その上の花菱繋ぎ、宮殿の虹梁や木鼻の錺金具など、見どころはたくさんで、これらは戦前の大阪仏壇の錺金具技術のレベルの高さを象徴するものです。

現在ではこれだけ技術の粋を尽くした仏壇は残念ながら製造されることはまずなく、またそうした技術を支える職人もいなくなってしまったでしょうし、さらには職人に物作りをさせる余裕のある超富裕階級もいません…

私は稀に、お参りにあがったお家でこうした立派な仏壇を目にすると、この難波別院のお内仏についてお話することがあります。仏間に当たり前のように安置されてあるお仏壇が、実はいかに優れた技術と伝統に支えられたものであるかといったことを、先のような蘊蓄を交えお話すると、ご門徒さんは熱心に聞いてくださる場合が多いように感じます。ますます仏事や仏壇や荘厳が簡略化されコストダウンがはかられる現代にあって、こうした今日では考えられないほどの技術と財力が注入された工芸品的価値を有する仏壇と、そこに込められた各家先祖代々の信仰の深さについて思いを馳せるのです…と書けば大袈裟でしょうか?まあ、ひとつの話の「ネタ」としてここにご紹介いたしました。

では、月末の学習会で^^

(下の画像はあるご門徒さん宅のお内仏)

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